【安く買える革】今さら聞けない床革って?
素材「床革」
よくこんな表示があるかと思います
「床革?本革ではないの?」っと思われる方もいらっしゃるかと思います。
本革ではありませんが、「革」ではあります。
今回はこういった表記がされている場合の「床革」を説明していきます。
ちなみに「床革」は「とこがわ」と読みます。
「床革って何?」
後々詳しく図で説明するので、ここから先は適当に読んで下さい。
あまり知られていない用語がたくさん出てきますので。
本革は「銀面」をはがさないで出荷されるのに対して、
床革は「銀面」をはがして出荷されます。
「銀面って何?」
ここで気になるのが「銀面」
「銀面」とは「毛」や「表皮」層の下にある「乳頭層の表面」の事です。
図で説明
用語だらけですので、図にしますと
加工する前の図
まず、こちらが加工する前の革の図
「本革」に加工したときの図
次が「銀付面」に加工した図です。本革のことです。「毛・表皮層」がはがされています。
この時点では「毛穴」も「皮の模様」も残り、革の風合いが残っています。
床革に加工したときの図
次が床革に加工したとき図です。さらに「銀面」と「銀面層」がはがされています。
この図を見て分かるように表も裏も「網状層(床)」として加工できますよね。
なので革の「表面」だけでなく「裏面」も「床革」と言われています。
どうして床革にするの?
ではなぜ、このように「床」まではがすのか説明いたしますと、
大きく分けて床革の用途は2つあります。
①表面の毛を立ててスウェードにして出荷をする。
②床革の上に樹脂など塗ったり加工をして出荷をする。
スウェードとは
こういった風合いの素材です。
スウェード素材は触り心地がよく人気があります。
「樹脂を塗って出荷?」
おそらくほとんどの方はここが良く分からないでしょう。
ペンキのような感覚で床革の上に「樹脂を塗り」「型押しをして」あたかも本革かのような加工をするのです。
「どうしてそんなことをするの??」
「床革」は吸水性が高く脆い(もろい)性質があるので、樹脂を塗ったりラミレート加工などをします。
加工することで水に強く、そして、メンテナンスもほぼしなくて大丈夫な革になります。
ただし裏事情をいいますと、皮の「表面の傷が多いため」に傷がついた表面をはがしていき
「本革」ではなく「床革」へ加工するという事情もあります。
「本革と床革どっちがいいの?」
では比べて行きましょう。
銀付革(本革) | 床革(樹脂加工済) | |
防水性 | 水に弱い | コーティングされているため強い |
耐久性 |
伸縮性があるため長持ちする |
コーティング部分がはがれることも |
傷のつきやすさ |
傷はつきやすいが、軽度の傷ならば自然に消えることもある |
傷はつきにくい |
経年変化 | 起こる | 起きない |
におい | 革のにおいがする | 合成皮革のようなにおいがする場合があり、勘違いしたお客様からのクレームがたびたびある。 |
メンテナンス | 必要 | ほぼ必要がない |
価格 | 高め | 素材は本革の価格の2分の1もしくはそれ以上安い |
本革はプレミア感があり高価で取引されています。
革の風合いにこだわる方は本革をお勧めします。
でも、なんだかんだ言っても本革がいい?
「ビジネスマンやキャリアウーマンなら本革の、、」
「大人になったら本革の、、」
などの事がよく書かれています。
個人的なことですが、プライベートなら「本革」、ビジネスは「床革」もしくは「クロム鞣しの本革」で使い分けています。
理由として仕事では常に清潔感を求められます。特に出先では。
そうなんです。毎日使うバッグはかなり汚れます。メンテナンスも大変で、雨の日なんてもう、、
お会計の時にお客様に「これは汚れではなく、経年変化というやつで、、」っと説明することがめんどくさいのです。
でも、革が好きなのでプライベートでは「タンニン鞣しの本革」を使っています。
ビジネスでは汚れても簡単に落とせて、調子が悪くなったらすぐ買い換えられ、
常に清潔感を保てるような価格の物を使っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「床革」は「本革」と比べられて悪いように言う方もいらっしゃいますが、
問題はない商品です。っというのも安いんです。
ちなみに世界的に有名なブランドのフルラでも「床革」を使っています。
意外かもしれませんが、有名なブランドでも「床革」を使っているのです。
合皮を使っているハイブランドも沢山あるので、素材は好みで選べばよいかと思います。
どういうシチュエーションで使うかで素材を選んでみてはいかがでしょうか?
最後までご覧いただきありがとうございます。
最終更新日 2023年10月17日